複層ガラスとは?放射と伝導と対流の違いとともにわかりやすく解説

コラム

複層ガラスを平たく説明すると、2枚のガラスで密閉した空気を断熱材として利用したガラスです。
3つの熱の伝わり方(放射・伝導・対流)とともに、一つずつ紐解いて説明していきます。

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1.複層ガラスとは?

複層ガラスとは、2枚のガラスで密閉した空気を断熱材として利用したガラスです。
この「空気の断熱材」により、3つの熱の伝わり方(放射・伝導・対流)のうち、伝導対流を抑えることで断熱効果を得ています。

  • 放射
  • 伝導
  • 対流

それでは次に、放射・伝導・対流の違いについてみていきましょう。

2.3つの熱の伝わり方

放射

放射とは、互いに離れている物体間で、赤外線を介して熱が伝わることをいいます。
例えば、太陽から伝わる熱や、焚き火から伝わる温かさがあります。
また逆に鍾乳洞や洞窟に入った時に感じる涼しさも同じ類です。

複層ガラスのハイグレードなものに「Low-e複層ガラス」というものがありますが、これは複層ガラスに放射熱を遮る機能を付加したものです。
詳しくはこちらの記事でご確認ください。

Low-E複層ガラスとは?メリットとデメリットは?【2分で解説】
「Low-E複層ガラス」をメリットやデメリットとともにわかりやすく解説します。一級建築士学科試験計画分野や環境・設備分野に登場する語句でもある「Low-E複層ガラス」について、関連語句とともに整理することを目的としたページです。

伝導

伝導とは、固体、液体、気体等の物質を介して熱が伝わることをいいます。
例えば、ホットカーペットから伝わる熱や、湯船に浸かった時にお湯から伝わる熱があります。
一般的に固体が最も熱が伝わりやすく、液体、気体の順に熱が伝わりにくくなります。

対流

対流とは、熱をもった流体(液体や気体)の移動を介して熱が伝わることをいいます。
例えば、エアコン等の空調によって伝わる熱があります。

3.複層ガラスの仕組み

ここで、複層ガラスの話に戻ります。
複層ガラスは、3つの熱の伝わり方(放射・伝導・対流)のうち、伝導対流を抑えることで断熱効果を得ています。

  • 空気層により熱伝導を抑える
  • 空気層を2枚のガラスで密封することで対流を抑える

空気層により熱伝導を抑える

先ほど、伝導の説明で、固体が最も熱が伝わりやすく、液体、気体の順に熱が伝わりにくくなるとお話しました。
最も熱が伝わりにくい気体を屋外と室内の境界に設けることで、室内から屋外への熱が出ていくのを防ぐわけです。
一般的にこの空気層を厚く設けるほど、断熱効果が高まります。

空気層を2枚のガラスで密封することで対流を抑える

空気層を厚く設けるほど、断熱効果が高まるとお話しましたが、厚くすればするほど空気が移動しやすくなり、対流が発生する恐れがあります。
そこで、2枚のガラスで空気層を密封し、対流を防いでいるのです。

要点ノート

以上、複層ガラスについて、放射と伝導と対流の違いとともに解説してきました。
最後に本ページの要点をまとめておきます。

要点ノート

1.複層ガラスとは?
2枚のガラスで密閉した空気を断熱材として利用したガラス
伝導対流を抑えることができる

2.3つの熱の伝わり方
放射は、互いに離れている物体間で、赤外線を介して熱が伝わる
伝導は、固体、液体、固体等の物質を介して熱が伝わる
対流は、熱をもった流体(液体や気体)の移動を介して熱が伝わる

3.複層ガラスの仕組み
空気層を設けて熱伝導を抑える
空気層を2枚のガラスで密封することで対流を抑える

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