Low-E複層ガラスを平たく説明すると、夏の暑さ、冬の寒さを和らげることで、室内環境を快適に保つ窓ガラスです。
一つずつ紐解いて説明していきます。
1. Low-E複層ガラスとは?
Low-Eは何の略?
Low-Eとは、「Low Emissivity(ロー・エミシビティー)」の略で、「低放射」を意味します。
低放射とは、文字通り放射熱が低い状態を指します。
放射熱とは?
熱の伝わり方には、放射、伝導、対流の3種類があり、放射はそのうちのひとつです。
- 放射 = たとえばストーブ
- 伝導 = たとえばホットカーペット
- 対流 = たとえばエアコン
放射熱を簡単に説明すると、互いに離れている物体間で赤外線を介して伝わる熱のことです。
例えば、太陽から伝わる熱や、焚き火やストーブから伝わる温かさ、また逆に鍾乳洞や洞窟に入った時に感じる涼しさも同じ類です。
どのように「Low-E」化しているのか
Low-E複層ガラスは、ガラス面に特殊な金属膜をコーティングすることで、「Low-E」つまり「低放射」な仕様とした複層ガラスです。
複層ガラスについては、こちらの記事を合わせてお読みください。

ここで、すべての面にコーティングするわけではないことに注意が必要です。
金属膜をコーティングする面によって、以下の2つのタイプがあります。
- 断熱タイプ ≒室内から屋外への熱が出ていくのを防ぐ
- 遮熱タイプ ≒屋外から室内へ熱が入ってくるのを防ぐ
このように、同じLow-E複層ガラスであっても、タイプによって特徴が違い、用途による使い分けが必要であるといえます。
2.採用のメリットとデメリット
メリットは?
Low-E複層ガラスを採用すると、下記のようなメリットが得られます。
- 冷暖房費を軽減できる
- 結露を防ぐ
まず、Low-E複層ガラスを採用することで、夏を涼しく、冬を暖かく保てるようになり、冷暖房の使用を減らすことができます。
また、結露を防ぐ効果もあります。
結露は室内外の気温差によって起こります。
複層ガラス間の空気層が気温差を緩和する働きをするため、結露が起こりにくくなります。
これらのメリットを十分享受するためには、
窓の方位等を考慮した計画が必要です。
たとえば、南側の窓に対しては断熱タイプとすることや西側の窓に対しては遮熱タイプとすることが一般的です。
デメリットは?
Low-E複層ガラスを採用する際は、下記のようなデメリットを考慮することが必要です。
- イニシャルコストが高い
- 適切な種類を選ぶ必要がある
まず、一般的な複層ガラスに比べ、イニシャルコスト(導入費用)が高いことがあります。
ただし、導入により冷暖房費用を軽減できれば、トータルコストは抑えられるかもしれません。
また、メリットの章でも少し触れましたが、窓の方位等を考慮した適切な計画でなかった場合、効果が得られないことがあります。
例えば、南面の採光が乏しい建物で遮熱タイプを採用すると、冬に日光の入りが少なくなり、肌寒い建物となってしまいます。
デメリットととして紹介しましたが、注意事項のようなニュアンスで捉えていただいた方がいいかもしれません。
要点ノート
以上、Low-e複層ガラスについて、メリットとデメリットとともに解説してきました。
最後に本ページの要点をまとめておきます。
要点ノート
1. Low-E複層ガラスとは?
ガラス面に金属膜をコーティングすることで、「放射」による熱影響を抑えることに特化した複層ガラス
2.採用のメリットとデメリット
メリットは、冷暖房費を軽減できること、結露を防ぐこと
デメリットは、イニシャルコストが高いこと、タイプ選びや配置計画に注意が必要なこと
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