資格学校に通うと100万円以上かかることもある二級建築士学科試験対策ですが、一方で独学で安く済ませる方も多くいらっしゃいます。
私は一級建築士資格を所持しているのですが、その際はなるべく費用負担を減らしたい思いで、社会人2年目の時に働きながら独学で試験を通過しました。
この記事では、私が独学で一級建築士学科試験に合格した際の経験をもとに二級建築士をコスパ良く合格するための教材と勉強方法・スケジュールを紹介します。
おすすめの教材
「テキスト」は資格学校のものを安く入手する
独学といっても、テキストは、市販のものより、資格学校のものを入手するのが賢明です。
知人から譲ってもらえる方は譲ってもらい、譲り手が見つからない方はメルカリ等で安く購入しましょう。
法規以外は多少古くても試験対策としては問題ないと考えます。
「法令集」は最新のもの用意する
法令集は最新のものを用意しましょう。
法令は年度ごとに更新されるうえに、その更新内容が試験内容に関連することも多いです。
また法令集購入後、通常線引きをしなければなりませんが、私は時間節約のため、あらかじめ線引きされたものを購入しました。メルカリで30000円程度です。
通常の法令集は資格学校や書店で3000円程度で販売があります。
どの出版会社のものでも大差ないと思いますが、私は日建で販売しているオレンジのパッケージのものを使用していました。
2025年(令和7年)受験用の最新版は下記のリンクから購入できます。

問題演習は「過去問」ベースで行う
実のある学問としての勉強をしたいのであれば別かもしれませんが、ただコスパよく合格したいのであれば、問題演習は過去問ベースで行うべきと考えます。
二級建築士学科試験は、年により異なるものの、大体半分程度が過去問から出題されています。
具体的には、過去7年分の問題集だけで約45%を占めていることもあります。
類題も含めれば約75%を占めることもあるため、過去問ベースの問題集で解答解説を理解していく勉強方法が効率的であると考えます。
解答解説が重要となるので、なんらかの過去問ベースの補助教材を入手する必要があります。
そこで大手の資格学校に通う方もいますが、私はあまりおすすめしません。
高額の大手資格学校であっても、少額で済むマイナーな通信講座であっても、
過去問ベースの教材であることに変わりないため、個人的には後者がおすすめです。
「解答解説が充実した過去問ベースで勉強できること」
「すき間時間を活用できること」
「少額であること」
の3点を教材の条件としていれば大きく間違った選択をしてしまうことはないと思います。
行動が遅くなり肝心な勉強時間が少なくなってはいけないのでさくっとベターな選択をしていきましょう。
現状特にあてがない方は下記の講座がおすすめです。
3条件すべてを満たしていることに加えて、通信講座ながらもメールで直接質問ができるので、生徒数が多くなかなか先生がつかまらない大手資格学校より遥かにお得です。
結局いくらかかるの?
独学で学科合格するための必要最低限の教材を購入する場合いくらかかるのか。
結論、高くても計90000円程度になります。
資格学校の100万円を考えると破格です。
なお、法令集を自分で線引きする、教材をキャンペーン時に購入する等ができれば、計45000円程度で済みます。
資格学校テキスト(中古):5000円以内に抑えたい
過去問ベースのネット教材:50000円以内に抑えたい
法令集(線引き済み):30000円程度
→線引き前のものであれば3000円程度
おすすめの勉強方法とスケジュール
法規と構造計算以外はアプリを活用
私は、「法規・構造計算」と「法規・構造計算以外」で勉強方法を分けていました。
「法規・構造計算」は、とっつきにくく腰を据えて勉強する必要があったため、土日に勉強しました。
「法規・構造計算以外」は、暗記要素が強いため、平日のすき間時間に勉強すると、効率的です。
復習のサイクル
最小限の勉強量で済ませるために、復習のサイクルを工夫するべきです。
具体的には、
①翌日復習 → ②1週間後復習 → ③1か月後復習
のサイクルで勉強を進めていきます。
これはドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが提唱した「エビングハウスの忘却曲線」という研究結果に基づいた記憶定着の考え方であり、一度覚えたことを忘れる前に覚えなおす勉強方法です。
「24時間以内に復習すれば、10分の復習で100%の記憶に戻る」とも言われており、上記①~③のステップの中では、①翌日復習が最も重要であると考えます。
私個人としての経験則としても翌日に復習するかしないかでは記憶定着に雲泥の差があります。
「法規・構造計算以外」の勉強スケジュール
二級建築士級建築士学科試験の話に戻ります。
「法規・構造計算以外」は前述の記憶サイクルを参考に、おおよそ各単元ごとに下記のようなスケジュールで勉強していました。
1日目:テキスト再熟読+重要箇所マーク
7日目:重要マーク箇所熟読
30日目:過去問解く(全問題)
31日目:過去問解く(誤答のみ)
37日目:過去問解く(全問題)
過去問は過去十数年分を合計2.5周程度をこなします。
一度正解した問題は二度と解かないことが時短になると考える方がいるかもしれませんが、それは落とし穴です。
マーク試験であるがゆえに、ぼんやりとした理解で解けてしまうことがあります。
必ずしも上記のスケジュールにのっとる必要はないかもしれませんが、どこかのタイミングで、正解した問題も含めて全問題を解きなおすことが賢明です。
「法規・構造計算」の勉強スケジュール
「法規・構造計算」についても、ベースは「法規・構造計算以外」と同じ考え方で勉強を進めます。
ただし、他科目よりとっつきづらい側面があるため、はじめから生真面目に問題を解きに行くのではなく、まず解説を読み通すことが効果的です。
法規であれば、まずは解説と法令集を照らし合わせながら、何を聞かれたらどこを見るのか、また法令集を引かなくても暗記で対応できる問題なのか等、全貌を俯瞰して徐々に把握していくことが必要です。
構造計算も同様に先に解説を読んで解き方を把握しておきます。
問題パターンが多くない上に、解き方を覚えてしまえば計算は複雑ではないので、実質暗記科目に近いです。
1日目:過去問解く(全問題)
7日目:過去問解く(誤答のみ)
30日目:過去問解く(全問題)
要点ノート
以上、二級建築士学科試験を独学で乗り切るための、教材や勉強方法を記しました。
最後に本ページの要点をまとめておきます。
要点ノート
おすすめの教材
資格学校テキスト(中古)・過去問ベースの教材・法令集(線引き済み)を手に入れる
おすすめの勉強方法とスケジュール
法規と構造計算以外は通信講座等を活用して、すき間時間を使う
復習のサイクルを意識する、演習前に解説を読み通すことにより、効率的に勉強する
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